相続税・贈与税

課税対象者が1.8倍に増加!?基礎控除額の改正で相続税が身近な税金に

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突然ですが相続税は自分には関係ないと思っていませんか?果たして本当に関係ないのでしょうか。

税制改正が行われ2015年(平成27年)から相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられました。そのため改正前であれば、相続税の課税対象ではなかった人にも相続税が発生するという事が発生しています。

今まで関係ないと思っていた相続税が身近な税金となっています。

相続は生涯何度も経験する事ではありません。しかし、相続が発生した時に相続税の対策をしようとしても、ほとんど対策ができません。

相続対策の前にまずは、相続税の基礎控除額について確認しましょう。

相続税の基礎控除とは

ブラックくん
相続税の基礎控除額が改正になったって聞いたけど、基礎控除ってなに?
相続税は基礎控除を超えた金額に対して税金が発生しているんだ。
レッドくん
ブラックくん
相続した財産が基礎控除以内だったら相続税は発生しないってこと?
まぁね。だから税制改正で相続税の基礎控除額が引き下げられたから相続税が発生する人が増えているんじゃないかな。
レッドくん

相続税の基礎控除とは、個人が保有していた財産のうち一定の金額まで相続税の申告を行わなくても大丈夫となる目安の金額となります。相続税は、現金、預金等の遺産から、葬式費用等の債務を差し引いた課税価格に基礎控除額を差し引いた金額(課税対象額)に対して税金が計算されます。

ココがポイント

課税価格 > 基礎控除額 相続税の申告が必要

課税価格 < 基礎控除額 相続税の申告が不要

課税価格と基礎控除額は通常上記の様になります。この基礎控除額が改正されています。

相続税の基礎控除額の改正

抜本改正前 昭和63年1月1日以降 平成4年1月1日以降 平成6年1月1日以降 平成27年1月1日以降
基礎控除額 2,000万円+400万円×法定相続人の数 4,000万円+800万円×法定相続人の数 4,800万円+950万円×法定相続人の数 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 3,000万円+600万円×法定相続人の数

バブル期の地価の高騰等で、土地等の不動産を売却しないと相続税が支払えないケースが多発したため、相続税の基礎控除額は引き上げられていました。しかし、約20年ぶりの改正で相続税の基礎控除額は大幅に引き下げられました。

わかりやすくするために、具体的な基礎控除額を計算してみます。法定相続人が2名の場合どのくらい差が出るでしょうか。

抜本改正前 昭和63年1月1日以降 平成4年4月1日以降 平成6年1月1日以降 平成27年1月1日以降
基礎控除額 2,800万円 5,600万円 6,700万円 7,000万円 4,200万円

言葉では伝わりにくくても、具体的な金額にしてみると大幅な引き下げになっているのがわかります。

配偶者控除、配偶者特別控除の改正等、所得が多い人は税金が増える改正となっている事を考えると、相続税の基礎控除額も今後さらに引き下げられる事が予想されます。

基礎控除額の目安

基礎控除額は法定相続人の人数で変わってきます。

法定相続人の数 基礎控除額
1名 3,600万円
2名 4,200万円
3名 4,800万円
4名 5,400万円
5名 6,000万円
6名 6,600万円
7名 7,200万円

*平成30年4月1日現在

基礎控除額の改正で課税対象者が約1.8倍

 

基礎控除額が引き下げられたからと言って、本当に相続税が発生している人が増えているのかは気になるところです。基礎控除額が引き下げらたとしても、法定相続人が2名の場合は基礎控除額が4,200万円あります。

そんな疑問を解決するかのように国税庁が公表している資料があります。

これは被相続人の推移を示したものです。

次は課税割合の推移を示したものです。国税庁参照:平成28年分の相続税の申告状況について

平成27年以降に増加している事がわかります。

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
①被相続人数(死亡者数) 1,268,436人 1,273,004人 1,290,444人 1,307,748人
②相続税の申告書の提出に係る被相続人数 54,421人 56,239人 103,043人 105,880人
③課税割合②/① 4.3% 4.4% 8.0% 8.1%
④相続税の納税者である相続人数 130,545人 133,310人 233,555人 238,550人

先程のデータを基に平成25年分以降をまとめてみました。平成26年と平成27年を比べると課税割合が約1.8倍以上に増加しています。増加した理由はわかりますか?

相続税の基礎控除額が引き下げられた事が原因でしょう。

相続税の税金は高いのか?

ブラックくん
基礎控除額の改正で、相続税が発生する人が増えたのわかったけど。相続税って高いのかな?
高いってイメージはあるね。実際に計算してみたらわかりそう。
レッドくん

課税価格の合計額が5,000万円、6,000万円、7,000万円の場合で計算してみます。

課税価格:5,000万円、6,000万円、7,000万円 法定相続人:3名(配偶者+子供2名)

平成26年12月31日まで

基礎控除額引き下げ前の平成26年12月31日まで、法定相続人が3名の場合は基礎控除額8,000万円です。

7,000万円ー8,000万円(基礎控除額)=0円

基礎控除額の改正前の場合、基礎控除額8,000万円までは課税遺産総額が0円のため、相続税は発生しませんでした。

基礎控除額改正後の相続税

法定相続人が3名の場合、今までは課税価格が8,000万円までは相続税が発生していませんでした。しかし、平成27年1月1日以降はそうではありません。

具体的に相続税の税金を計算する前に、現行の相続税の基本体系は遺産取得税体系(一部遺産税体系)です。遺産の分割状態に左右されない相続税額の計算を行おうとしているため、実際の取得とは関係のない法定相続分・代襲相分で分割してから各々に税率を掛けて相続税の総額を計算します。

ブラックくん
どういう事?
相続税は実際の相続財産から計算するのではなく、まずは法定相続人の法定相続分で相続税の総額を計算するんだ。各人が実際に納付する相続税は、相続税の総額を基に各人が相続する課税価格で按分して計算するんだ。
レッドくん

詳しい計算方法はまたの機会にして、今回は基礎控除額の改正後にどのくらい税金が発生するかを確認してみます。

課税価格5,000万円の場合

課税価格5,000万円でいくら税金が発生するでしょうか。法定相続人が3名の場合、相続税の基礎控除額は4,800万円です。

5,000万円ー4,800万円(基礎控除額)=200万円

5,000万円から基礎控除額4,800万円を引いた後の200万円に対して相続税が計算されます。各人の法定相続分の取得金額は以下のようになります。

配偶者 200万円×1/2 100万円
子供1 200万円×1/2×1/2 50万円
子供2 200万円×1/2×1/2  50万円

各人の取得金額に対する税金は以下のようになります。

配偶者 100万円×10%(相続税率) 10万円
子供1 50万円×10%(相続税率) 5万円
子供2 50万円×10%(相続税率) 5万円
合計 20万円

改正前までは税金が発生していなかった金額でも、基礎控除額の改正後は相続税の総額は20万円です。

課税価格6,000万円の場合

次は課税価格が6,000万円の場合です。

6,000万円ー4,800万円(基礎控除額)=1,200万円

同じように各人の法定相続分の取得金額を計算すると以下のようになります。

配偶者 1,200万円×1/2 600万円
子供1 1,200万円×1/2×1/2 300万円
子供2 1,200万円×1/2×1/2 300万円

次は、各人の取得金額に対する税金です。

配偶者 600万円×10%(相続税率) 60万円
子供1 300万円×10%(相続税率) 30万円
子供2 300万円×10%(相続税率) 30万円
合計 120万円

相続税の総額は120万円と100万円を超えてしまいました。

課税価格7,000万円の場合

最後は課税価格が7,000万円の場合です。

7,000万円ー4,800万円(基礎控除額)=2,200万円

各人の法定相続分の取得金額は以下のとおりです。

配偶者 2,200万円×1/2 1,100万円
子供1 2,200万円×1/2×1/2 550万円
子供2 2,200万円×1/2×1/2 550万円

次は、各人の取得金額に対する税金です。課税価格によって相続税の税率は変わってきます。

配偶者 1,100万円×15%(相続税率)ー50万円(控除額) 115万円
子供1 550万円×10%(相続税率) 55万円
子供2 550万円×10%(相続税率) 55万円
合計 225万円

7,000万円だと相続税の総額は225万円です。課税価格7,000万円に対して225万円と考えたら約3.2%の税金ですが、相続税の基礎控除額が引き下げられる以前であれば、税金が発生していなかった事を考えると税金の負担は大きいです。

まとめ

今回はあくまで、相続税の総額を計算の結果であり、配偶者の税額軽減等は考慮していないため、実際の納付額とは異なります。

相続税の基礎控除額が引き下げられた結果、相続税が発生する人が増え、その相続税の負担は大きいです。相続財産が全て現金・預金等であれば、例え税金が発生したとしても納付する事はできます。

しかし、相続財産は現金・預金だけではありません。自宅、店舗、貸している住宅等も相続財産となります。現金・預金がなく自宅等の不動産だけが相続財産の場合、相続税を納付することはできるでしょうか。

今後、2020年の東京オリンピックに向けて土地の価格が上昇する事が予想されます。首都圏を中心に相続税の課税対象者はさらに増えるでしょう。

相続税は一部のお金持ちだけの税金ではなくなっています。「自分には関係ない」と思っていてはいけません。しっかりと理解をしましょう。

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福岡に住む30代。税理士試験勉強中/サラリーマンブロガー 2児のパパです。 税金を少しでもわかりやすく伝えたい!!をモットーに税金コンテンツを発信中。勉強はいつしているの?ブログでアウトプットとインプット中!!!  

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