固定資産税

特定空家に指定される空き家とは!?固定資産税が6倍になる前に知っておきたい事

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全国的に「空き家」が問題になっています。空き家が放置されると倒壊、火災発生のおそれ等様々な問題が予想されます。

建物を解体すると固定資産税が増えるのでそのままにしている

建物の解体費用が高いのでそのままにしている

といった人は沢山います。

空き家を放置していると「固定資産税が6倍になる」と聞いた事はありませんか?これは空家対策特別措置法が影響しているます。固定資産税が今の6倍になると、空き家の維持負担が増えて家計が圧迫されます。

祖父母から実家等を相続し、その相続した実家が空き家になるという事は少なくありません。不動産を所有していれば、固定資産税について少しは知識がありますが、所有していなければ知らない事の方が多いです。空家対策特別措置法と一緒に固定資産税について確認します。

固定資産税とは?

固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)現在の土地・家屋の所有者に対して、その固定資産税の価格を基に算定される税金の事です。固定資産税は固定資産の所在する市町村が課税します。

一般的には馴染みがありませんが、法人、個人事業主が所有している償却資産に課税される税金も固定資産税です。

都市計画税とは?

都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるために目的税として課税されるもので、原則市街化区域内に所在する土地・家屋に課税されるものです。

固定資産税とは違い全ての土地・家屋に課税されるわけではありません。

固定資産税・都市計画税の納税義務者

固定資産税、都市計画税の納税義務者は毎年1月1日現在に固定資産課税台帳に登録されている所有者が納税義務者となります。

不動産を購入する時は購入するタイミングが大事です。年末ギリギリに不動産を購入して登記を完了すると、翌年の1月1日にはその取得した不動産に対する固定資産税の納税義務者になります。

しかし、1月2日以後に不動産を取得した場合は、その取得した不動産に対する固定資産税は翌年1月1日から納税義務者になります。

取得するタイミングが少し違うだけで固定資産税の納税義務者となる時期が異なります。特に新築の自宅を購入する時等は取得時期を検討しましょう。

固定資産税の納付時期

固定資産税は年4回、納期は各市町村で異なるので、詳しくは所有する不動産の市町村のHP等で確認が必要です。参考までに一部の市町村の納期をまとめてみました。

市町村 第1期 第2期 第3期 第4期
東京23区 6月 9月 12月 翌年2月
大阪府 4月 7月 12月 翌年2月
福岡市 4月 7月 12月 翌年2月

固定資産税、都市計画税の税率

税率
固定資産税 1.4%
都市計画税 0.3%

課税標準

ブラックくん
固定資産税を自分で計算する時は、土地や建物の取得価額に1.4%等の税率をかけたらいいって事?
固定資産税を計算する基となる金額は、毎年1月1日現在の固定資産課税台帳の登録価格だから、取得価額とは違う。税金を計算する基となる金額の事は課税標準と言われているんだ。
レッドくん

課税標準と評価額は同じではない

固定資産課税標準額と似た言葉で、固定資産評価額があります。2つの言葉は似ているし、金額が同じ事もあるのですが「固定資産税課税標準額=固定資産評価額」ではありません。

固定資産評価額は固定資産課税台帳の登録価格ですが、この価格は3年に1度評価替えが行われています。

ブラックくん
何で固定資産課税標準額と固定資産評価額は同じじゃないの?
住宅用地には課税標準の特例があるんだ。
レッドくん

固定資産税を納付していると、市区町村から納税通知書が毎年5月頃に郵送されます。その納税通知書には納期限、納付金額等が記載されていますが、固定資産課税明細書と書かれているものもあります。固定資産課税明細書には土地、建物の地番、地積等が記載されてあり、固定資産税評価額、固定資産課税標準額も書かれています。

固定資産課税明細書で評価額と課税標準額を確認

固定資産課税明細書を実際に見てみるとわかやすいので、東京都主税局の「課税明細書の見方」を見てみます。

一部抜粋しています。参考:東京都主税局

注目して欲しいのは、黄色の四角の中です。

固定資産評価額 価格 45,000,000
固定資産課税標準額 固定本則課税標準額 7,500,000
都市計画課税標準額 都計本則課税標準額 15,000,000

置き換えると上記のようになります。

この例で行くと、土地の評価額は45,000,000円ですが、固定資産税の計算の基となる課税標準額は7,500,000円と評価額の1/6倍となっています。これが住宅用地の特例です。空き家が放置されて「固定資産税が6倍になる」という話は、住宅用地の特例が適用されない事が原因です。

固定資産税の税金って具体的にいくらぐらいなのか?

住宅用地の特例の計算の前に、固定資産税の税金がいくらぐらいになるか計算してみます。上記の例を参考にしてみます。

固定資産評価額  :45,000,000円

固定資産課税標準額:  7,500,000円

都市計画課税標準額:15,000,000円

税金
固定資産評価額 45,000,000×1.4% 630,000
固定資産課税標準額 7,400,000×1.4% 105,000
都市計画評価額 45,000,000×0.3% 135,000
都市計画課税標準額 15,000,000×0.3% 45,000

住宅用地の特例が適用されない場合は評価額で固定資産税、都市計画税が計算されるため、固定資産税630,000と都市計画税135,000の合計額765,000が納付金額となります。

しかし、住宅用地の適用がされていれば、固定資産税105,000と都市計画税45,000の合計額150,000が納付金額となります。

都市計画税は全ての土地に課税されるわけではないので、固定資産税だけで考えると、住宅用地の特例が適用された固定資産税630,000と住宅用地の特例が適用されていない固定資産税105,000では525,000の差が出てきます。これはかなり大きな差です。

特定空家に指定されると固定資産税が6倍になる!?

ブラックくん
特定空家に指定されるって空き家の中でも特別な感じだな。
特別感はでるね。でも、特定空家に指定されると住宅用地の特例が適用できなくなって、固定資産税は固定資産評価額で計算されるから、固定資産税は6倍になるけど。
レッドくん
ブラックくん
特定じゃなくていいや。
その気持ちわかる。特定空家に指定されても、すぐに住宅用地の特例が適用外になるわけではないけど、特定空家に指定されない方がいいね。
レッドくん

住宅用地の特例が適用されない「特定空家」は、あまり聞きなれない言葉です。

「特定空家等」は、この「空家等」のうち、法第2条第2項において示すとおり、以下の状態にあると認められる「空家等」と定義されている。

(イ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

(ロ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

(ハ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

(ニ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

引用元:国土交通省・特定空家等に対する措置

国土交通省の「特定空家等に対する措置」のガイドラインでは上記の様に定義され、4つの状態の内1つでもあてはまると特定空家に指定されるとなっています。

言葉だけではわかりにくいので、それぞれの4つの状態の例示を先程のガイドラインに記載されていたのでまとめてみました。あくまで例示であり、これらに該当しない場合も適切に判断されるので注意して下さい。

 

そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態

建築物が著しく保安上危険となるおそれがある

(1)建築物が倒壊等するおそれがある

建築物の著しい傾斜

部材の破損や不同沈下等の状況により建築物に著しい傾斜が見られるかなどを基に総合的に判断

調査項目の例

・基礎に不同沈下がある
・柱が傾斜している

建築物の構造耐久上必要な部分の損傷等

イ 基礎及び土台

基礎に大きな亀裂、 多数のひび割れ、変形又は破損が発生しているか否か、腐食または蟻害にによって土台に大きな断面欠損が発生しているか否か、基礎と土台に大きなずれが発生しているか否かなどを基に総合的に判断

調査項目の例

・基礎が破損又は変形している
・土台が腐朽又は破損している
・基礎と土台にずれが発生している

ロ 柱、はり、筋かい、柱とはりの接合等

構造耐力上必要な部分である柱、はり、筋かいに大きな亀裂、多数のひび割れ、変形又は破損が発生しているか否か、腐食又は蟻害 によって構造耐力上主要な柱等に大きな断面欠損が発生しているか否か、柱とはりの接合状況などを基に総合的に判断

調査項目の例

・柱、はり、筋かいが腐朽、破損又は変形している
・柱とはりにずれが発生している

(2)屋根、外壁等が脱落、飛散等するおそれがある

屋根ふき材、ひさし又は軒

全部または一部において不陸、剥離、破損又は脱落が発生しているか否か、緊結か金具に著しい腐食があるか否かなどを基に総合的に判断

調査項目の例

・屋根が変形している
・屋根ふき材が剥落している
・軒の裏板、たる木等が腐朽している
・軒がたれ下がっている
・雨樋がたれ下がっている

外壁

全部又は一部において剥離、破損又は脱落が発生しているか否かなどを基に総合的に判断

調査項目の例

・壁体を貫通する穴が生じている
・外壁の仕上材料が剥落、腐朽又は破損し、下地が露出している
・外壁のモルタルやタイル等の外装材に浮きが生じている

看板、給湯設備、屋上水槽等

転倒が発生しているか否か、剥離、破損又は脱落が発生しているか否か、支持部分の接合状況 などを基に総合的に判断

調査項目の例

・看板の仕上材料が剥落している
・看板、給湯設備、屋上水槽等が転倒している
・看板、給湯設備、屋上水槽等が破損又は脱落している
・看板、給湯設備、屋上水槽等の支持部分が腐食している

屋外階段又はバルコニー

全部又は一部において腐食、破損又は脱落が発生しているか否か、傾斜が見られるかなどを基に総合的に判断

調査項目の例

・屋外階段、バルコニーが腐食、破損又は脱落している
・屋外階段、バルコニーが傾斜している

門又は堀

全部又は一部においてひび割れや破損が発生しているか否か、傾斜が見られるかなどを基に総合的に判断

調査項目の例

・門、塀にひび割れ、破損が生じている
・門、塀が傾斜している

擁壁が老朽化し危険となるおそれがある

擁壁の地盤条件、構造諸元及び障害状況並びに老朽化による変状の程度などを基に総合的に判 断

調査項目の例

・擁壁表面に水がしみ出し、流出している
・水抜き穴の詰まりが生じている
・ひび割れが発生している

そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

(1)建築物又は設備等の破損等が原因で、以下の状態にある

状態の例

・吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況である
・浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
・排水等の流出による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている

(2)ごみ等の放置、不法投棄が原因で、以下の状態にある

状態の例

・ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
・ごみ等の放置、不法投棄により、多数のねずみ、はえ、蚊等が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている

適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

(1)適切な管理が行われていない結果、既存の景観に関するルールに著しく適合しない状態となっている

状態の例

・景観法に基づき景観計画を策定している場合において、当該景観計画に定める建築物又は工作物の形態意匠等の制限に著しく適合しない状態となっている
・景観法に基づき都市計画に景観地区を定めている場合において、当該都市計画に定める建築物の形態意匠等の制限に著しく適合しない、又は条例で定める工作物 の形態意匠等の制限等に著しく適合しない状態となっている
・地域で定められた景観保全に係るルールに著しく適合しない状態となっている

(2)その他、以下のような状態にあり、周囲の景観と著しく不調和な状態である

状態の例

・屋根、外壁等が、汚物や落書き等で外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されて いる
・多数の窓ガラスが割れたまま放置されている
・看板が原型を留めず本来の用をなさない程度まで、破損、汚損したまま放置されている
・立木等が建築物の全面を覆う程度まで繁茂している
・敷地内にごみ等が散乱、山積したまま放置されている

その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

(1) 立木が原因で、以下の状態にある

状態の例

・立木の腐朽、倒壊、枝折れ等が生じ、近隣の道路や家屋の敷地等に枝等が大量に散らばっている
・立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し、歩行者等の通行を妨げている

(2) 空家等に住みついた動物等が原因で、以下の状態にある

状態の例

・動物の鳴き声その他の音が頻繁に発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
・動物のふん尿その他の汚物の放置により臭気が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
・敷地外に動物の毛又は羽毛が大量に飛散し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
・多数のねずみ、はえ、蚊、のみ等が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
・住みついた動物が周辺の土地・家屋に侵入し、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある
・シロアリが大量に発生し、近隣の家屋に飛来し、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある

(3) 建築物等の不適切な管理等が原因で、以下の状態にある

状態の例

・門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入できる状態で放置されている¥
・屋根の雪止めの破損など不適切な管理により、空き家からの落雪が発生し、歩行者等の通行を妨げている
・周辺の道路、家屋の敷地等に土砂等が大量に流出している

特定空家に指定されたらすぐに対応

特定空家に指定されるような空き家が家の近くにあると、シロアリの大量発生、倒壊のおそれ等があるため安心ができません。この様な空き家が増えると困るので、空家対策特別措置法が施行されたのは、市町村が空き家対策へ乗り出しやすくするためでもあります。

先程も言いましたが、市町村から特定空家に指定されたとしても、すぐに住宅用地の特例が適用外になり固定資産税が6倍になるわけではありません。

しかし、そのまま放置していたりすると住宅用地の特例が適用外になるだけではありません。

立ち入り調査の拒否 20万円以下の過料
市町村の命令に違反 50万円以下の過料

上記の規定が設けられているため、何も対応をしなければ過料に処せられるかもしれません。

さらに所有者が撤去命令に従わない等をした場合は「行政代執行」として「強制的に解体」がされ、その費用は所有者負担となります。強制的に解体となってしまっては、自ら解体撤去をした場合よりも負担が大きくなります。

ブラックくん
どうしたらいい?

「特定空家」に指定されたら、立入調査が入り、助言・指導が行われます。その後改善が認められれば特定空家の指定は解除されます。

「色々と忙しく面倒」「無視していても大丈夫だろう」等と思わず、市町村から特定空家に指定された場合はすぐに対応しましょう。すぐに対応できない場合は連絡だけでもする事をおすすめします。

まとめ

空き家を放置していると固定資産税が6倍になるというのは、住宅用地の特例が適用外になる場合です。今回は土地に着目しましたが、固定資産税は家屋にも発生します。

空き家が解体され、更地になると家屋の固定資産税はかかりませんが、住宅用地の特例が適用外になるため、支払う固定資産税は多くなるでしょう。

土地・家屋を所有していると固定資産税が毎年発生します。所有している土地等が自宅ではなく空き家であれば、固定資産税等の維持費は年々負担になります。

さらに、特定空き家に指定されてしまえばその負担は増加します。空き家は上手く活用できれば、負担ではなく収益を生む資産になります。

ピンチはチャンスでもあります。空き家を負の資産(ピンチ)と考えずにチャンスと考えましょう。所有している地域にあった不動産活用をして、空き家が収益を生む資産にするチャンスです。

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福岡に住む30代。税理士試験勉強中/サラリーマンブロガー 2児のパパです。 税金を少しでもわかりやすく伝えたい!!をモットーに税金コンテンツを発信中。勉強はいつしているの?ブログでアウトプットとインプット中!!!  

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